低侵襲手術 WAVE治療(経尿道的水蒸気治療)

泌尿器科

2024年3月より、前立腺肥大症に対する最新低侵襲手術 WAVE治療(経尿道的水蒸気治療)を導入します。

WAVE治療とは

WAVE治療(経尿道的水蒸気治療)とは前立腺肥大症のための治療方法です。従来の電気メスを用いた手術(TURP)やレーザーを用いた手術(HoLEP)では手術時間が2-3時間と長く、出血のリスクもあるため、良性疾患の前立腺肥大症に対する治療としては薬物療法を選ばれる方がほとんどであるのが現状でした。 Rezum(レジューム)システムは、103℃の水蒸気を9秒間噴霧し、前立腺組織を約70℃まで上昇させ組織を壊死する治療です。 治療時間は15分程度で出血のリスクも少なく、これまで合併症や内服薬等を理由に手術を断念せざるを得なかった患者様もWAVE治療は施行できる可能性が十分にあります。 既存の前立腺肥大症に対する手術療法と比較し、水蒸気を利用し対流によってムラのない治療効果が実現され、直接前立腺実質を切除しないため尿道粘膜や性機能温存を可能としました。 治療効果は約2-4週間程度、長くても3カ月後には排尿状態の改善が期待できます。

ご相談いただきたい方
  • ・薬物療法を行っているにも関わらず、排尿状況にお困りの方。
  • ・抗血栓療法(血液サラサラの薬)や高齢であること、認知機能の影響でこれまで前立腺肥大症の手術を諦めていた方。
  • ・尿道カテーテル留置中であり、本人・家族・介護者がカテーテル離脱を目指したい方

WAVE治療の流れ

  • STEP 1術前外来
    前立腺肥大症の程度を検査し、WAVE治療が適切な症例かどうかを判断します。その後手術に対応できる全身状態かどうかを判断するために心臓エコー検査や心電図検査、胸部レントゲン検査を行います。前立腺の形態把握や前立腺癌の可能性を術前に判断するためにPSA検査やMRIも行います。
  • STEP 2入院、術後管理
    入院当日に手術を行います。手術は麻酔時間を含めて1時間程度で終了します。 術後に関しては疼痛、尿路感染症による発熱、血尿の経過観察をし、退院後のカテーテル管理の指導をして退院となります。症例によりますが2-4日間で退院となります。 ※術後早期は前立腺が一過性に浮腫を起こすため、自排尿が困難となります。そのため一時的に排尿をカテーテル管理とします。もともと自排尿がある方は術後1週間程度後、もともとカテーテル管理の方は2か月後にカテーテルを抜去し、自排尿に戻す経過となります。
  • STEP 3術後外来
    術後早期は前立腺が浮腫を起こし、術前よりも尿の出方が悪いことがあります。術後2週間後から3ヶ月の間に、徐々に前立腺の浮腫が取れ、組織が壊死し尿道が広がり、治療効果が現れるようになります。 上記の経過を観察しながら術後の内服薬の調整などを行っていきます。

50歳以上の5人に1人が前立腺肥大症と言われており、尿勢低下や夜間頻尿といった症状をお抱えの方は多数いらっしゃいます。ぜひお気軽に当院泌尿器科にご相談ください。(紹介状なしでも受診可能です。)